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たった1度

第3章  〜 ざわつき 〜


翔 「潤くん、それはナシでしょ ・・・。」

ため息混じりにそう言う翔ちゃんの顔は

怒ってるというより

呆れてる



潤 「俺もそう思う・・・。つーか自分でも良く分かんないんだけどさ・・・。」

翔 「大体なんでそういう事になっちゃうわけ!?」

潤 「何で・・・だろ?」

翔 「何でだろー?じゃないよ潤くん・・・。」

潤 「ごめん・・・。」

翔 「まさか愛理ちゃんにバレた!?」

潤 「いや・・・。昨日の今日だし。」

翔 「ばれたら確実に愛理ちゃんとは終わるよ。」

潤 「うん・・・。」



翔ちゃんに愛理と終わるよと言われて

それでもいいかもって思いが

頭のはじっこに小さくあって

その思いは俺をますます混乱させた



翔 「は何て言ってんの?」

一呼吸置いて翔ちゃんが聞く

潤 「朝起きたらもう出掛けてて・・・。だから話してない。」

翔 「全く覚えてないわけ?」

潤 「まぁ・・・ほとんど。」




ホントは断片的に覚えてる


あいつに触れた事

思ってた以上に華奢な肩

俺の名前を呼ぶ

苦しそうな声



そして一筋の涙



あれは俺の見間違いだろうか




俺の心は正体不明のざわつきで




いっぱいだった




翔 「ったく。頼むよ潤くん。
俺、と話すけどいい?」

潤 「ああ・・・。」

翔 「つーかまじでもうこんなんナシね。」


そう翔ちゃんにクギを刺されて

素直に頷くしかなかった
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