第2章 ~ 終わりの夜 ~
誕生日の日
うちに来た時から
潤は妙にハイテンションで
飲むペースもやけに速かった
「愛理ちゃん、帰ってきた??」
潤 「あー帰ってきた・・・。」
「いいのー?こんなとこにいて。
あんまり相手にしてあげないと愛想尽かされるよー。」
キッチンにワインを取りにいきながら聞くと
潤 「あー・・・もう愛想尽かされてるんじゃねー?」
そう投げやりに言ってグラスに入れたワインを一気に飲み干す
「何か・・・あった・・?」
潤 「距離を置きたいんだと。」
わざと素っ気なく言ってるけど
その目は潤の傷ついてる時の目だ
ああ、やっぱり寂しいんだね
潤
潤 「大体、距離を置こうってなんなんだよ。
潤のことは好きだけど・・・なんて。」
あたしは黙って潤の話しを聞く
潤 「俺にどうしろってんだよ・・・。わけわかんねぇよ・・・。」
独り言の様につぶやいて
潤は両手で顔を覆う
潤 「わかんねぇよ・・・。」
覆った手の隙間から漏れる潤の声が
苦しそうだった