第10章 獅子のいない1週間。ナイショのデート編
かちゃりと鍵が開き、玄関が開くとただいまの声。
玄関に走りおかえりのハグをすれば、リエーフもぎゅっと返してくれる。
「美優さん。長期合宿のお知らせ、きましたよ?」
帰ってきてすぐにリエーフからプリント受け取る。
『ありがと。すぐご飯にするから荷物置いてきて?』
そう言うとリエーフは素直に部屋に荷物を置きに走った。
プリントを見ればやっぱり合宿は7月末。
場所は長期合宿恒例の森然。
今回は月末に体育館が使えない関係で日曜日出発で金曜日終了らしい。
自分の予定表を見ればまあ、初日の日曜以外は学校だし、丁度レポート提出も重なってるからお手伝いもいけないな…
8月末の合宿には顔だそう。
そう考えていれば、部屋に戻っていたリエーフが戻ってきた。
「美優さん!腹減りましたー!」
『手洗いうがいは?』
「オッケーです!」
『洗濯物は?』
「出しました!」
『お弁当は?』
「ここに!」
よし、完璧だね?
『じゃあお弁当をキッチンに置いてきて、ご飯にしようか?』
今日のおかずは海老フライ!
エビが安売りしてたから奮発しちゃった。
タルタルソースももちろん手作り。
それを見たリエーフは、早く早くとご飯を急かす。
最近ご飯作る時、何作ったらリエーフが喜んでくれるかなっていうのが基準になってるなぁ。
栄養!とか、バランス良く!とかもちゃんと考えてるけれど、やっぱりリエーフが笑顔で食べてくれるのが1番。
ご飯の準備を終え、食事を促すと勢い良くエビフライにかぶりつくリエーフ。
うん。いい笑顔。
その笑顔に癒されながら私はエビフライに箸を伸ばした。