第9章 【番外編】黒猫と三毛猫2
side莉奈。
センパイのスマホのアラームで目覚めると背中にはセンパイが張り付いていた。
布団を剥げば私はハダカ。
センパイ、自分だけちゃっかり下履いてるし…
「センパイ?センパーイ?起きてー。」
巻きついた腕をペチペチ叩くとさらにぎゅっと引き寄せられる。
「センパイ。学校、遅れちゃう。」
「ちゃんと間に合うように送ってやるよ…」
そう、センパイは言うと私の頬に軽くキスを落とし、ふにゃりと微笑む。
「おはよ。」
「おはよ…ございます…」
改めて顔を見てしまうと昨日のあれこれを思いだして顔が火照る。
「シャワー、浴びるか?」
そう言われるけれど、シャワーよりもセンパイといたい。
「ううん。もう少しセンパイ…てつろーさんとぎゅってしてても…いい?」
「やけに素直だな。」
体を起こしながらセンパイはくくっと笑う。
「だって…たまにはデレないとセンパイどこかに行っちゃうかもしれないし。」
気持ちを吐露すれば、私はセンパイの胸の中に引き寄せられる。
「逃げねーよ。好きだぜ?莉奈。」
優しげな声に私は体を預け、素直な気持ちを呟いた。
「私も…てつろーさん、すきです。」
素直になれない私のココロ。
少しずつだけど伝えていくから。
ちゃんとうけとってね?
てつろーさん?