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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜


side 月島

車に乗り込み数分後、いつもとは違う駅付近の駐車場にたどり着く。そこからすぐのファミレスに向かい席に着くと、黒尾さんからメニューを渡された。

「何食いたい?奢りだから遠慮すんなよ。」

パラパラとページを捲り悩みながら季節のメニューを開けば、メニューの真ん中にそびえ立つ苺のパフェに目を奪われる。
これと指差すと黒尾さんは苦笑しながらそれとポテト、そして自分が食べたかったらしい白身魚の西京焼きのセットを頼む。

「また食べるんですか?」

追加でいちごミルクもお願いすれば、そのまま唇を尖らせる。

「まだまだ健全な19歳ですので。高校ん時なんか朝、2時限目の後、昼、部活後、夕飯で5食くらい食ってたし。」
「日向影山並みに食べてますネ。大学で動かなくなった分太りますよ。」
「ちゃんと動いてたから太りませんー!それに今もちゃんと動いてるんで大丈夫ですー!」
「そうですか。」

早速届いたいちごミルクにストローを刺してくるくる回し、果肉の入ったいちごをミルクと混ぜる。赤と白の境界線が曖昧になりお互いに溶けていくのを見ながらグラスの向こうを見れば、同時に届いたポテトを食べながらこっちを見る瞳。

「………飲みづらいデス」
「飲みづらくしてんの。ツッキーそろそろ2年も終わるじゃん?進路とか決めてんのかなって。」

眉間に皺が寄るのがわかる。それを悟った黒尾さんが苦笑しながらこちらに手を伸ばし頭を撫でてくる。

「まだ決まってねえんなら相談乗るからいつでも連絡してきていいぜ。一応進路室通っていろんな大学のデータ確認したから。」
「決まってます…」

頭を撫でる手が止まる。顔を伺えば自分のことのように嬉しそうな顔をする黒尾さんに思わず目を伏せる。

「地元?こっち?こっちなら引越しも買い出しも手伝うから声かけろよ。」

なんで僕の周りの人ってこんなにお人好しなのだろう。
でも、昔よりは絆されてもいいかな。そう思うと、窓の方に視線を向けると恥ずかしさを隠すように口元を手のひらで覆う。

「ここからすぐなので、後で外観だけ見に行ってもいいですか。」

チラリと視線を向けてそう伝えれば、黒尾さんはさらに頬を緩ませた。

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