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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜



「ハマってんの知らなかったから誘わなかったけど、俺ちょい前に来たのに。」

食事を食べ、パフェに移行すれば不意にかかる声。顔を上げれば、先に食べ終わったクロが端末の画面をこちらに見せる。画面にいたのは満面の笑みで主将のアクスタと料理と一緒に映る莉奈ちゃん。

「あいつ、グッズ被りとかあるから連絡すればもらえるかもしれねえぜ。」

初耳である。

『年明け始まるアニメの映画は?』
「俺誘われてる。でも美優と一緒の方が莉奈も楽しめそうだから明日聞いてみ?」
『え、どうせならクロもリエーフも一緒に行こうよ。特典もらいたい。』

盛り上がる傍らで、食後のパフェを食べる蛍が唇を突き出しながらねえ、と話を割った。

「美優さんパフェのクリーム溶けてる。」

は、と視線を目の前に戻すと絞り袋で出されたクリームがどろりと溶け、イチゴソースと混ざり合う。冬だからと油断した。暖房の温かさで溶けかけたクリームを急いで口の中に運ぶと、リエーフが反対側からクリームを掬い口に放り込んだ。

「美優さん、チョコプレートとかは食べるよね。溶けてるから少し食べちゃうよ。」

うん、と頷けば、リエーフは飾りを避けるように溶けたクリームを掬い始めた。

「ん、うま。」

溶けかけたクリームが唇についてしまったらしい。ペロリと唇のクリームを舐め取りながらふにゃりと柔らかな笑みを浮かべる。その表情に見惚れそうになるが、パフェを溢してしまうのはよくない。急いでスプーンを口に運ぶとその合間にも他からスプーンが3本伸びてきた。

「生クリームんとこだけ一口。」
「こぼれるの勿体無いから。」
「美優さんも食べちゃってくださいね。」

次々かかる声に思わず吹き出せば、1番上に突き刺さるコーティングされたプレートに手を伸ばし取り除く。そしてこれ以上溢れないように4本目のスプーンをパフェに挿したのであった。
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