
第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜

早速昼前に家に来たクロは蛍がいることに首を傾げる。
「あれ、ツッキー久しぶり…なんだけど来るの早くねえ?」
『蛍なら28日からいるよ。家の都合で早めに家に来てるの。』
「まじかよ。じゃあ遠慮しないで昨日連絡すりゃよかった。昨日服着込んでホッカイロ貼りまくってたから。」
『うわ、見たかった。』
「もしお前んとこ無理ならネカフェ行くつもりだったから助かった。車も出せるから買い物とか行くなら付き合うぜ。」
買い物…
本来であれば明日買い物をお願いする予定ではあったけれど、今日買い物を頼んで明日仕上げに時間取れるようにするのもありだな。
『じゃあ早速買い物お願いしようかな。お昼食べに行って買い物でもいいし…』
「ん、いいんじゃねえ。何食いに行く?」
『昨日やきとん屋さん行ったからなぁ…』
首を傾げながら悩むがいいアイデアは浮かばない。1人で考えないで、食べ盛りに聞いた方が早い。リビングで宿題をしている2人に聞けば肉に魚と食べたいものが真逆。
これはもう、みんなが好きなものを食べられる場所に行けば良いのでは…?
『ファミレス、とか?』
「まあありだよな。今の状況じゃ食いたいもん食ってこいになるし。」
「だと、1番近いのはここですね。」
いつの間に検索をしていたのだろう。リエーフが端末の画面を出す。最近よくいろんなアニメなどとコラボをしているファミレス。最近だと、リエーフに似ているキャラが出ているスポーツ漫画がコラボしていたような…
リエーフの端末を勝手に弄りスクロールしていけば見つかるコラボページ。タイミングがよく、好きなキャラの学校とのコラボのタイミングらしい。行きたいという気持ちを込めて顔を上げればみんなが吹き出しそうな顔をする。
「俺、こんな美優飯作る以外で初めて見たわ…」
「俺もあんまり見ないです。」
「じゃあお昼はここですね。」
なぜそんな顔をしているのか不思議に思い首を傾げると、大きな手のひらが私の頭を強めに撫でていく。
「そんな可愛い顔2人に見せて欲しくないなって思っただけです。欲しいの取れるように協力するんで何食ったらいいか教えてくださいね。」
くすりと笑う仕草に、みんなが私の興奮に気づいていたことを悟り一気に顔が熱くなる。その頬を隠すために両手で頬を包むと、準備後同じ場所に集合と伝え部屋へと戻ったのであった。
