第26章 音駒がくえんさいっ!
文化祭当日。ギリギリまで準備があるようで、リエーフはいつもより早めに学校に行く準備を終わらせた。
「美優さん、今日来るんですよね。」
玄関で靴を履くリエーフを見送るために玄関に向かえば、困ったような顔のリエーフ。
『行くつもりだけど…』
「俺、クラスの出し物にかかりきりになるので、あんまり美優さんと会えないかも…」
あからさまに来てほしくないような顔。でも、それが逆に引っかかる。
『ん、わかった。じゃあ会えたら…ね?』
いってらっしゃい、とキスをして
閉まる扉から背中を見送る
不安、ではあるけれど、現地に行ったらわかるよね、と気持ちを落ち着かせるように食器を洗う。
ついでに夜ご飯の仕込みをしていれば、あっという間に時間は経つ。
ふいに鳴る電話を取れば、やっぱりクロで残り時間はあと20分。
急いで部屋に行きクローゼットを開けると今日着るつもりで揃えていた服を出した。
チャイナ風の生成りの半袖シャツに、黒のハイウエストのショートパンツ。靴下は履き口にレースのついたシアー素材にした。鞄はいつもの小ぶりの皮のリュックサックに財布とハンカチ、ティッシュ、その他必要なものを入れれば急いでお化粧。
汗で取れる可能性が高いから、今日は日焼け止めを塗ったあと軽くパウダーとアイブロウとリップ。使い終わったメイク道具を鞄に入れたら、早めに家を出るために玄関に向かった。
そうそう、歩き回りやすいように内履きも持って行かなきゃ。
玄関で内履きを取り出し袋に入れていれば、再びの着信。
歩きやすさ重視のスポーツサンダルに足を通せば、急いで家を出た。