第23章 今年も夏休みは終わらない⁈〜4日目、東京!〜
アラームが聞こえる。
手探りでスマホを止めるといつもよりゆっくりの6時半。
まだ寝ている莉奈ちゃんを起こさないようにそっとベッドを出ると、そっと洗面所へ移動する。
身支度を整えると、私はそのままキッチンへと向かった。
昨日セットしていた炊飯器のご飯はさきほど炊けたみたいで、開けて確認すれば香ばしい炊き込みご飯の香りがする。
私は昨日下ごしらえをしていたお鍋を冷蔵庫から取り出し、コンロにかける。
出汁で柔らかく煮たじゃがいもやにんじん、玉ねぎに醤油とみりん、砂糖を入れ、別で煮ておいたしらたきを入れる。
しばらくしたらお肉を入れて煮たら肉じゃがの出来上がり。
あとは昨日醤油とみりんに漬けておいた鮭を焦げないように焼く。
昨日のうちに茹でておいたほうれん草ともやしに醤油をかけておひたしにすればだいたい完成。
あとはお味噌汁だけど…
何にしようか悩んでいれば、ぺたぺたと廊下を歩く音。
見れば、廊下をいつもの銀色ではなく金色が歩いていた。
『あれ?蛍。おはよ。』
「おはようございます。」
キッチンの入り口を潜るようにして入ってくる蛍。
くんくんとキッチンに漂う匂いを嗅ぎ、ふわり笑う。
「今日、和食ですか?」
『うん。今日は炊き込みご飯に焼き鮭、肉じゃがにほうれん草ともやしのおひたしだよ。
お味噌汁、何がいい?』
そう問えば、蛍は少し悩んで冷蔵庫を開ける。
そして味噌汁の具材になるであろう食材を取り出した。
「だったら油揚げに豆腐、野菜が欲しかったらネギ入れてもいいかな。」
うん、悪くない。
蛍にお礼を言い早速具材を切り、お鍋に水と一緒に入れて煮立てていく。
顆粒だしを入れ沸騰するのを待っていれば、蛍は私にねえと問うた。