第22章 今年も夏休みは終わらないっ!〜3日目、我が家!〜
う…わ…
なにこの状態。
結局莉奈ちゃんはクロに強制連行され、私はリエーフに後ろからハグされたまま朝の仕込みをしている。
『ねえ、リエーフさん。』
「なに。」
『お米研いだからセットしたいな。』
リエーフは動いてくださいと言わんばかりにお腹で私の背中を押す。
渋々リエーフを背中に背負いながらキッチン内を移動。
炊飯器をセットするとふうと一息つく。
「美優さんのばか…」
『…ごめん。』
確かにさっきのは私が悪かった。
だから素直に謝ると前に回った手に力が入った。
「俺の前だったらいいけど、いない時に触られるのは嫌だ。」
駄々っ子のような言い方にくすりと笑えば、みーゆーさん?と不満げな声。
独占欲が嬉しくて笑ったのに勘違いしているのだろう。
『ちがうって!』
濡れていた手を拭き、そっとリエーフの頭を撫でる。
『すごく、好きでいてくれるんだなって思って嬉しくなったの。』
そう伝えれば、リエーフは私の肩にぐりぐりと頭を埋める。
「そんなんじゃ、ごまかされませんよ…」
そうは言うけれど、きっと照れている。
そんな声。
『ごまかしてないよ。』
「じゃあキスして。」
確かめるように私に問うリエーフにくすり笑えば、リエーフは腕を緩めてくれる。
少しだけしょんぼりしたリエーフの顔を両の手のひらで包み少し背伸びをすると、私はリエーフにそっと唇を寄せたのだった。
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リエーフとリビングに戻れば、数人が布団に入っているところだった。
明日の朝はゆっくりだからと言って、いつまでも起きていたら明日にさし障るので今日は寝ることにした。
まだ起きていた莉奈ちゃんと一緒に部屋へ向かいベッドに入れば、やっぱり疲れていたのかふわふわと夢の中へと引きずりこまれていった。