第21章 今年も夏休みは終わらないっ! 〜旅行3日目〜
AM6時半。
アラームの音が鳴ったのが聞こえ、目を開く。
二度寝したくなる眠気を払うように、私は体を起こしグンと伸びをした。
隣には、おっきな体を丸めて眠るリエーフ。
私はそっと耳元でリエーフに話しかけた。
『本日、朝食抜きのリエーフさん?朝ですよー。』
それを聞くや否や眉間にしわを寄せ渋い顔をするリエーフ。
まあ、しょうがない。
少しは譲歩しなきゃな…
『朝食の準備を手伝ってくれるなら、朝ごはんリエーフの分も作ろうかなー。』
わざとらしい独り言を言うとリエーフががばりと体を起こす。
「やります!手伝います!だから朝ごはんっ‼︎」
いつもは起きた後しばらくぼーっとしているリエーフが必死で起きた。
まあ、頑張って起きたからお手伝いしたらご飯はあげようかな。
『じゃあ、最初のお手伝い、ベッドのシーツを外した後に部屋の掃除、ゴミ集め、お願いしてもいい?』
そう言うとリエーフは、はいっ!と返事をしすぐさま作業に取り掛かった。
後はクロか…
流石に運転してもらうから朝食食べないのはきついよなぁ…
あ、いいこと思いついた。
夕飯の買い出し、荷物持ち兼車出しってことで働いてもらおう。
そのくらい働いてもらってもいいよね?
なんて思いながら私はその考えを実行に移すべく、メッセージアプリを開くとメッセージを打ち込んでクロに送信した。
さて、今日の朝ごはんは何を作ろうかな?