第17章 今年も夏休みは終わらないっ!〜今年も大集合!1日目編〜
コンロの準備が終わったことを確認すると、みんなで材料を持ち、コンロの方へ向かう。
3人…いや、木兎はコンロの熱に負けてTシャツを脱ぐという暴挙に出ていた。
『木兎…虫に刺されるよ?』
「でもあっちーんだもん!」
仕方がない。
私は残っている材料と共に冷やしておいた保冷剤とタオルを持っていく。
赤葦に「せめてタンクトップ着てくださいよ…」と呆れられている木兎の後ろで、タオルに保冷剤を仕込むと、それをそっと木兎の首に巻いた。
「うひゃっ!つめてっ!…って美優?」
『首冷やしたら少しは涼しくなるでしょ?飲み物も持ってくるから。』
そう言って残った材料を取りに行こうと思ったら、ぐいと腕を引かれわしゃわしゃと頭を撫でられた。
「美優マジで天才‼︎ありがとうなー‼︎」
『ちょっ!木兎っ!髪の毛崩れるっ!』
精一杯抗議をするけれど、木兎は私の言葉なんか聞くわけがなく、なんとか整えていた髪の毛は見るも無残な状態になってしまう。
「これは直さなきゃだめっぽいですね…」
赤葦が確認してくれるけど完全にアウト。
癖っ毛だから整えるの大変なのに…
『先にバーベキューやってて?髪の毛直してから飲み物持ってくるから。』
そう言い中へ戻ろうとすると、蛍がそれを止める。
「飲み物くらい持ってきますよ。クーラーボックスに入れておけば食事中は冷えてるでしょ?」
「月島さん、私も手伝います!」
「ブラシとかって美優さんの鞄に入ってますよね?髪の毛直しますよ?」
『え?あ…うん。』
後輩3人がぱっと動き出したのを見てどうしたらいいかわからなくなる私。
そんな私に声をかけてくれたのは赤葦。
「ってことで休んでてください。ちなみにどれから焼いたらいいか教えてくれないとこっちも焼けないので、美優さんはここですよ。」
バーベキューコンロの直ぐ近くにセットされる私の場所。
そんな私の姿を見ながらクロがくすりと笑う。
「頼もしい後輩達だな。」
『そうだね、クロ。』
みんなの行動の早さに感心してしまった。
それと同時に、なんでも自分でやらなきゃって思って動いてしまった自分。
反省しなきゃなぁと小さくため息をついた。