第17章 今年も夏休みは終わらないっ!〜今年も大集合!1日目編〜
私達冷蔵庫から出したものを見ながら下拵えを始めた。
『じゃあ、牛肉はそのまま。豚のロースは先にタレに漬けた方がお肉が柔らかくなるし、美味しくなるから…
じゃあリエーフ、私玉ねぎ切るから1/2すりおろして保存袋に入れて?』
そう指示をするとリエーフはボールとおろし金を持ってきて私から玉ねぎを受け取り、作業を始めた。
『フランクフルトはそのまま放置っと…
じゃあ魚…たらのホイル蒸し…かな?
じゃあ莉奈ちゃんは椎茸1パックを洗って軸取っててもらっていい?』
「はい!」
『蛍、包丁は使えるよね?』
そう聞けば蛍は私を見ながらため息をつく。
「馬鹿にしてるんですか?」
『いいえ?じゃあ玉ねぎを1〜2ミリ程度にスライスしてて?』
「はいはい。」
あとはもやしでカサ増しかなぁ。
なんて考えていれば莉奈ちゃんの椎茸が完了。
蛍の作業が終わるまでに急がなきゃと朝、クロに頼んだうちの荷物からアルミホイルを取り出すと机に大きく3つになるように切った。
その上にもやし、蛍が切った玉ねぎを乗せ、先に塩コショウを振っておいたたらを乗せる。
椎茸を飾り切りして2つずつ乗せ、ポン酢とバターを乗せればあとは焼くだけ。
まあ、1つを作っていれば手の空いた蛍と莉奈ちゃんが私のを見ながら一緒にやってくれるから正直、楽。
出来上がったホイル蒸しはそのまま焼くまで冷蔵庫…っと。
「みゆさーん!目ぇ痛ーい!」
そうだ。リエーフに玉ねぎお願いしてたの忘れてた…
リエーフの方を見れば玉ねぎのせいでぽろぽろ涙をこぼしている。それを擦ろうと手の甲でぐいぐい目元を擦っているから余計に涙が溢れ出した。
『それじゃあ余計に痛くなるよ?えっと…タオルタオル…』
鞄を探せば出てくるハンドタオル。
それを濡らして目元を拭いてあげればだいぶ良くなったのか、やっと目が開けれるようになったみたい。
「美優さんありがと!残りも頑張る!」
そう行ってリエーフはまた玉ねぎに向き合った。
リエーフの玉ねぎはあと1/4くらい。
もう直ぐ終わるかな?
さて、私は他の仕事に移りますか?