第1章 卒業、そしてはじまり。
私はこの春、高校を卒業した。
来月4月からは念願の専門学生。
自分の好きなことを学べるんだから嬉しさもひとしお。
よーし、頑張らなきゃなぁ。
なんて考えながら鏡で今日の服装の最終チェックをする。
その時。
ピンポーン
家に響く玄関チャイム。
はーいと返事をして向かうと黒いマフラーを巻いてにこりと微笑む私の彼氏、灰羽リエーフがいた。
「こんにちは、美優さん。」
『リエーフ。準備出来てるよ?』
「じゃあ行きましょうか。」
そう言うとリエーフへ私に手を差し出してくる。
玄関に準備していた鞄を持つと、私はその手を握りしめ家の扉を開けた。