第3章 無理は禁物。
バスで帰ると訴えた私の意見を、リエーフはあっさり否定してタクシーで帰宅。
私はそのままベッドに直行させられた。
「ちゃんと寝ていてくださいね?」
『ご飯くらい作れ「寝ててください!寝ないんだったら無理やり寝かしつけますよ。」
リエーフ…怖い…
「はい…」
リエーフの言葉に頷き部屋に向かうと、部屋着に着替えベッドに潜る。
でも、さっき寝てたから正直眠れない…
動かないのつらい…
どうしても眠ることができずリエーフに気づかれないように部屋から出ようと試みる。
ドアを開け、そーっと部屋から出る。
よし、大丈夫。
いける。
「何が大丈夫なんですか?美優さん。」
え?
『リエー…フ?』
声をした方を見ればキッチンから笑顔のリエーフが顔を出している。
笑顔が…こわい…
っていうか私今声出してない…
『私…トイレに…「さっき行ったでしょう?」
『喉が渇いて…「枕元に飲み物置いてます。」
『冷たいものが食べたいな…なんて「夕飯作ってるのでそれ食べてからにしましょうか。」
全部論破されてる…
「美優さん……?」
笑顔で凄まれため息まじりに言葉を吐く。
『だって…熱出てもいつも自分で動いてたから…』
私の言葉を聞くとリエーフはため息を吐き廊下に出てくる。
「俺も寝るまで付いていますから…」
そう言いながらリエーフは私の背中を押し、部屋に返される。
『眠くない…「それでも横になる。」
『でも…「でもじゃないです!」
布団に入りながらも抵抗する私。
「しょうがない…か。」
リエーフはため息を吐くと布団で横になる私の口を塞いだ。
『は…りえ……ふ…』
「じっとしていられないなら無理やり寝かしつけます。」
そう言うとリエーフはベッドにぎしりと乗り上げ、私に覆いかぶさる。
『え?ちょっ⁈やだっ!』
「いいからっ!」
抵抗しようとする私の喉に噛み付く感触。
甘噛みよりは強いそれは、肉食獣が獲物を仕留める時のもの。
1番の急所である喉に噛み付き息の音を止める。
そんな獅子の行動に私は動きを止め体の力を抜いた。
「大人しく感じていてくださいね?」
リエーフはそう言いながら私の喉をべろりと舐めた。