第14章 【番外編】それぞれのデート 黒猫&三毛猫編
side莉奈
「止めとくか?」
いつのまにか瞑っていた瞳を開けば目の前に私を見る2つの瞳。
瞳を開いたことにより、目尻に溜まった涙がぽろりと溢れる。
違う。
違うの。
まだ体験した回数も少ないのに気持ちよくなりすぎて、てつろーさんに呆れられないか、それが怖いの。
自分の体なのに自分で制御できなくなっていく感覚が怖いの。
「無理すんな。」
そう言っててつろーさんは私の乱れた髪をなで、目尻の涙を吸い取った。
そのままてつろーさんは身体を起こし、どこかへ行こうとする。
私が嫌って言うから?
怖がってるから?
怖いけどてつろーさんだから大丈夫。
そう伝えたいのに、私の口からは何も出てこない。
それじゃだめ。
私は身体を起こすと、そのままてつろーさんの体にぎゅっと抱きついた。
「やじゃ…ない…」
やっと出た言葉は拙いもので本当に気持ちが伝わるのかもわからない。
でも離れたくなくて、離したくなくて、力一杯ぎゅっとてつろーさんの体に抱きついた。
「恥ずかしいだけ…だから…シて?」
胸に顔を押し付けると、てつろーさんのおっきな手が私の頭を撫でた。
「怖かったり、痛かったりしたらちゃんと言え?」
こくり。
胸に顔を埋めたまま頷くとてつろーさんは私を優しく抱きしめたんだ。