第12章 獅子、ご立腹。
side灰羽
正直やりすぎたかも。
そう思った。
だけどいらいら…
というよりも嫉妬が収まらない。
俺にはまだ手の届かない”車”というアイテムを使い、俺にはまだ連れて行けない少し高めのレストランに連れて行く。
俺はまだまだ子供なんだって突きつけられた気分。
だから、放置した。
冷静になる時間が欲しかった。
それだけじゃなくてもう1つ。
美優さんが俺を見て、俺の名前を呼んで、俺を瞳に映してくれる。
それが見たい。
俺、サイテーだ。
スマホを見れば美優さんを部屋に放置してから20分が経とうとしている。
そろそろ帰ろう。
頭を冷やすためにコンビニに買い出しに来ていた俺は、買い物をすませるとそのまま美優さんが待つ家へと向かった。