第11章 獅子のいない1週間。寂しすぎて…&すれ違い編
『ただいまっ!』
夜9時を過ぎたタイミングで私は家の扉を開けた。
けれど、部屋の中は空っぽ。
誰もいない。
『リエーフ…?』
いろいろ探したけれど、リエーフの携帯、財布はない。
キッチンはお昼食べたものを洗った形跡はあるけれど…
お風呂も綺麗…
どこに行っちゃったんだろう…
捻挫だけど足、怪我してるし…
外に探しに行こうと玄関に向かえば玄関が開く音。
「ただいまー。あれ?美優さん帰ってます?」
リエーフ帰ってきた!
私は玄関に走るとリエーフはサンダルを脱ぎ捨て、パンパンの買い物袋を持ち上げようとしていた。
『リエーフ!どこ行ってたの⁈』
そう言いながら走り寄り、勢いよく胸に飛び込めばリエーフの慌てた声。
「美優さん!たまごたまご!ちょっと待って⁈」
買い物袋を置いたリエーフは私の背中に手を回しぎゅっと抱きしめてくれた。
「ね、美優さん。」
『何?リエーフ。』
本当に久しぶりのリエーフで嬉しくてぎゅっと抱きつけばリエーフはさらに力強く私を抱きしめる。
…うん。痛い。
ちょっと痛いかも。
「冷蔵庫の中なんですけど、冷凍室にひき肉100グラムと茹でて冷凍してた野菜保存用袋2つ分、冷凍うどんに余ったご飯1回分。
あとは冷凍の肉まん、点心。
野菜室はほぼすっからかん。
冷蔵室はヨーグルトと調味料、豆乳、杏仁豆腐にマンゴープリンしかなかったのはなんでですか?」
リエーフが微笑みながら質問をしてくる。
やばい。
「美優さん、答えてください?」
リエーフ…
私が逃げないようにって先に捕まえたのね…
逃げれない。
「…美優、さん。」
『…ごめんなさい。』
リエーフは笑顔のまま、私の手を絡めるように握ると空いた手で買い物袋を持ちキッチンの方へ歩き出す。
「食材、冷蔵庫にしまったら詳しく話、聞かせてもらいますね?」
リエーフの笑顔が怖い…