第11章 獅子のいない1週間。寂しすぎて…&すれ違い編
『え…いや…ちょっと…』
「今日こそは付き合ってもらうからね⁈」
なぜこうなった。
私の両脇にはクラスの友人2人。
逃げられないようにとホールドされている。
「レポート終了記念にカラオケ行くよー!」
「クラスみんな来るんだから美優っちも来る!」
『いや…私、弟…が、合宿明けで…帰ってくるから…』
弟というのはもちろんリエーフ。
彼氏と同棲してるなんて流石に言えない…
(ねこわん 第5章)
ぽそりというと私を捕まえている2人がギロリと私を睨む。
「弟⁈そんなの親がやってくれるって。」
「たまには私達にも付き合ってー!」
抵抗しようにも2人がかりで引きずられたらどうしようもない。
結局私も頭数に入れられてしまい、泣く泣く私は友達に付き合うことになった。
ーーーーーー
流行りの曲が流れる。
振り付きで女子…男子もか?
とにかく何人もの人が歌ってる。
カラオケ苦手なんだよな。
音楽聴かないし…
だから私はずっとウーロン茶をちびちびと飲んでいた。
「美優っち楽しんでる?」
歌い終わった友達が私の隣に座る。
早く帰りたい…
その気持ちを押し殺し笑顔をつくる。
リエーフにはカラオケに行く前に先メッセージを送ったけれど、「楽しんできてください。」の文字。
帰りたい。
帰りたい。
早くリエーフに会いたい。
トイレに行く振りして帰ろうかな….
そう思っていたら横に誰かが座った。