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Nachtigall im Kafig(進撃:リヴァイ夢)

第1章 Nachtigall im Kafig


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「だから皮肉に感じるんですよ、兵長」

 討伐した巨人の亡骸の上に立っていれば、所属する兵団のエンブレムが縫われているコートを風がなびかせる。頭から浴びた返り血が蒸発してゆくのを感じながら、私は語った。

「翼があったあの子が命の最後まで空を羽ばたけず、本来なら地を這う事しか出来ない私が今この『自由の翼』を背負って壁外で飛び回っているのが」

 仲間の血で赤黒く染まった地面とは対照的に、どこまでも青く澄み渡る広い空を仰ぎながら私は立体機動装置を撫でる。

 今にして思えば当然の結果だったのかもしれない。当時、ウォール・ローゼへ向かう船の中で私は死んだ小鳥に怒りを感じていた。何故あの子は籠から飛び出して逃げなかったのだろう、と。けれど人生の大半を籠の中で過ごす鳥にとって、籠から出る事は天と地がひっくり返るほどの意味を持つのかもしれない。「籠の外は未知・危険」と認識してしまっているのかもしれない。それならば、いくら追い出そうにも「籠の中は安全」と思っている鳥を外へ出すのは無理なはずだ。

 その上、籠の中で死んだ小鳥が当時のウォール・マリア内で巨人に食い殺された住民達を彷彿とさせるのが、更なる皮肉だ。
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