第4章 見えない誘惑~for Leo birthday~
官僚会議が終わったのは午後10時を過ぎていた
(遅くなったなぁ…)
自室に戻る途中辺りをキョロキョロしながら歩くリルを見かける
「リルちゃん?」
「あ、レオ!良かった」
にこにことレオに駆け寄るリル。二人は部屋に入り、ソファーに腰掛けた
「遅くなってごめんね」
「ううん、お疲れ様。お腹すいてない?」
抱えていたバケットから、苺サンドを取り出しレオに手渡した
「ありがとう。凄く美味しい」
思い出の味の苺サンド。こうしてまたあの時の味を噛み締める事の喜びが心を満たしてくれる
「そう言えばリルちゃん、湯上り?」
「あ、うん…メイドさんに準備出来てるって言われたから入ったの」
昼間とは服装が異なっていたが、湯上りの優しい香りに包まれている
「いい匂いがしてるし、まだ少し髪が濡れてるからね」
ぐっと抱き寄せるとシャボンの香りと暖かい体の熱がレオを満たしてゆく
「あ、レオ!あのね、渡したい物があるの」
バスケットから小さな箱を手渡しにっこり微笑む
「開けていい?」
箱を開けてると中には一粒のガーネットが埋め込まれたバングルだった
「レオのお守りになればと思ったの…」
腕にはめるとキラリと光を放ちレオはこころからよろこんだ
「ありがとう。ガーネットってね、変わらぬ愛情と深い絆って言う宝石ことがあるんだよ」
(知らなかったみたいだね)
「し、知らなかった…一月の誕生石でレオの瞳と同じ綺麗な赤だからこれっておもったの」
純水な心が嬉しくて、頬を包みそっとキスを落とす。とろりとした舌を差し入れ中を擽り深くキスを繰り返した
「レ、レオ…お誕生日…おめでとう。生まれてきてくれてありがとう」
小さな体でめいっぱい抱き締められる。柔らかくて暖かな温もり。こんなにも自分を愛してくれるその存在が愛おしくて堪らない
「ありがとう。リルちゃんに出会えで良かった」
(これからもずっとこの手離さない)
「私も、レオに出会えて良かった。レオ、大好き」
再びどちらともなく、唇が触れキスを繰り返す。甘い苺の香りの残るキス。そっとソファーに押し倒すと蕩けた顔のリルがいる
「リルちゃん…ベット行こうか」
こくっと頷くと、横抱きにし、ベットへと運んだ