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100日間のプリンセス~月が導くセレナーデ~

第3章 同じの違い~birthday Alan~


丁寧に髪を洗う手つきがとても心地よい。ほっとした気分になり、素直な言葉が口に出た

「なんか、いいな、こういうの」

「え?」

「なんつーか、落ち着く」

(一緒に風呂入ってるだけで安心する)

「良かった。アランが喜んでくれて。あ、流してもいい?」

「おお、頼む」

丁寧にすすぎ終えるとタオルで優しく拭き取ってくれる

「はい、出来たよ」

「サンキュー。次、背中洗って」

「う、うん…後ろ向いて座って」

泡立てたシャボンの香りが立ち込め背中を泡が滑る

(流石に前は…自分で洗うか)



「あ、洗えたよ…前は自分で洗って!!」

「お前、必死すぎ」

鼻先をちょんとつついてアランは体を洗い始めた。後ろでちゃぷんと音を立てバスタブに浸かったリルを見ると頬を膨らませ小さくなっている

「次お前の番。来いよ洗ってやるから」

「だ、ダメ!今日はアランの誕生日なんだから!!」

いつもなら、問答無用で洗うが今日はやけに食い下がらないリルの意思に答えて引き下がった

「わかったよ、大人しく浸かってる」

入れ違いにリルは髪を洗いはじめ、終わるまで待っていた

「アラン、逆上せてない?大丈夫?」

「あぁ、それより、ちゃんと肩まで浸かれよ」

後ろからぎゅっと抱きしめる形で肩まで浸からせる。小さくて柔らかくしなかやかな体。今こうして、一糸問わぬリルを独り占めしているという事実にアランは幸せを感じた

「そろそろ出るか」

バスルームを後に、ネグリジェ代わりにリルに自分のシャツを手渡した

「これ、着てろ」

「ありがとう。髪乾かして行くね」

先に着替えを済ませアランはベッドに腰掛けリルを待つことする

暫くすると恥ずかしそうにリルはやって来た

「あ、アラン…これ…」

(…うっ…これはまずいな)

自分よりはるかに小さい体のリルにとって、アランのシャツはワンピース状態。指先がチラリと顔を出し、恥ずかしそうに足元にすそを引っつけている

「あ、あの…」

「んな所、突っ立ってないこっち来いよ」

「う、うん…」

シャツの裾を握りしめたまま近づくとアランの足の間にすっぽりと包まれた

「アランのシャツ…大きいね」

「バーカ。お前がちっちゃいんだろうが」

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