第13章 第3話 不寝番
どれくらい経っただろうか。
ゆっくりと顔を上げるに、俺は聞いた。
「お前、誰かとSexしたか?」
『・・・えっ?』
ポカンと口を開けるに俺はもう1度聞く。
「誰かとSexしたのか?
・・だから、セックスだ。セックス」
やっと意味がわかったのか真っ赤な顔を慌てて隠す。
「したんだな。
誰とだ?不死鳥か?」
「マルコ兄様はそんな事しないッ!」
パッと顔を上げ反論する姿に不死鳥では無いと確信した。
「じゃ、誰だ?他の海賊か?
・・海兵か?ダイギンじゃねぇだろうな?」
の周りにいた男を思い出し口に出す。
ダイギンじゃねぇみたいだ。
その時、1人の男の名が脳裏に浮かんだ。
「Dr.ベガパンク」
ビクッと肩を揺らすが相手を肯定していた。
まさかなとは思ったがやはりDr.ベガパンク。
あの固執ぷりは実験体対象へ向けた気持ちとは違ったわけか。
そして、何故はDr.ベガパンクを受け入れた?
1つ疑問が減れば、また増える。
『・・どうして・・どうしてわかったの?
その・・・私がした、って』
見ればわかる。
以前はなかった色気。
急に大人びた様に綺麗になった。
Sexすると女は綺麗になると聞くが迷信ではなかったらしい。
俺は、質問には答えず話を続けた。
「だったらわかれ。
どんなにお前が強くとも男の力に敵わない。
もっと警戒しろ、もっと危機感を持て」
『・・・クザンにも?』
まだ顔を真っ赤にしたまま俺を見上げる。
言葉もその行動もわかっちゃいない。
「・・あぁ、俺にもだ。
抵抗するお前を無理矢理抱く事なんて簡単だ」
静まれ、静まってくれ。
腕の中にいるの姿は毒にしかならねぇ。
『・・・わかった』
そう言ったは、おれの胸に頬を預け腕を背中に回して来た。
わかってねぇ。
本当にこいつはわかってねぇッッ。
身を以て教えなければ理解出来ねぇのか?!
だったら教えてやる・・
『うん?ーーーッッ!!』
身体を離した俺は、の顎に手をかけ上を向かせた。
そして、躊躇いもなくその唇にキスを落とした。