第13章 第3話 不寝番
俺は改めて最初から見始めた。
『そこは、父様』
何も入ってない箇所。
『そっちはミホークので次がサッチ兄様だよ』
綺麗に残る紙切れ。
燃えカス1つ残っていない箇所。
『・・それは・・・・マルコ兄様』
チリチリと燃え始めた紙切れ。
元々の大きさがわからないが小さくなっている事は確かだった。
「・・」
『・・父様や兄様達の分、今まで貰ったビブルカード全てが入ってる・・・わたしの宝物よ』
笑顔を見せる。
そんなを俺は無意識に腕の中に引き込んでいた。
『ク、クザン?!』
泣きたいなら泣けとは言えねぇ。
おそらくが安心して泣ける場所はココではない。
その事が腕の力を強くさせた。
「・・不死鳥を探すか?」
『・・・約束したの。
迎えに来てくれるってマルコ兄様は約束してくれた、だからッ』
私は行かない。
そう、呟いた声は消えそうな程震えていた。
馬鹿なヤツだ。
不死鳥もも・・
行けない じゃなく、行かないか・・
まるで、不死鳥が何処にいるか知ってるみたいじゃねぇか・・
「後悔してもいいのか?」
強い力で押し離された。
『・・・マルコ兄様は・・マルコはッ!
私との約束は絶対守ってくれるの!!
昔から絶対に破らないッッ!きっときっと私を見つけてくれるの!!』
あぁ・・
泣かせちまった・・
だが、謝らねぇぞ。
泣かせるために言ったんだからな・・
言葉の代わりに俺は、無理矢理腕の中に抱き入れた。
がいくら抵抗しようとも離さない。
泣かないなら泣かす。
場所が無ければ作ってやる。
それ以外、俺にはにしてあげれる事がなかった。