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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第12章 第2話 旅連れ





バカが、アホが、死ぬ気か、
部屋に入った途端、散々言われた。

「脱げ」

『脱げない』

震えが止まらない。
そんな私にクザンはため息を漏らし、私の洋服に手を掛けた。

後は、成されるがまま。
全部脱がされ、拭かれ、厚手のバスローブを着せられた。

頭からタオルを被り、入れてくれたホットミルクを握り締めたままクザンの胸板に身を預ける。

『天国だッ』

背中に感じるクザンの温もり。
悴んだ手足にやっと血の気が戻る。

「俺の身体冷たいだろ?」

能力のせいで体温が低め。
髪をガシガシ乱暴に拭かれながら私は首を横に振った。

『ううん、クザンは暖かいよ』

「・・そうか」

拭き終わったのかブラシでブローまでしてくれる。

『ありがとうクザン』

「礼はいいから、もっと気を付けてくれよ」

『うん、努力はする』

振り返りニコッと笑えば晒される顔。

『何で晒すの?!』

「・・いや、何、でもねぇ」

少し休んでろ、革命軍と話してくると言ってクザンは部屋から出て行った。

その様子に首を傾げながら見送り、そっとホットミルクを一口飲んだ。

ほかほかと広がる温かさと少しの甘み。
昔飲んだミルクと同じ味に心までが暖かくなる。










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