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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第12章 第2話 旅連れ





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『ひ〜〜〜〜〜まぁッッッ!!!』

風任せに進む船。
ハッキリ言って何もする事がない。

「航路は合ってんのかよ?」

『えーーっ?知らない』

だって、行き先は島では無く航海中の船だもん。

「・・おいおい、勘弁してくれよッ」

あーぁ、海賊でも海軍でも会わないかな?
今なら戦ってもいいのに・・

広くはない甲板で日課の日光浴中。
だが、こう毎日だと飽きる。

『あっ!そうだ!!
釣りしようよクザンッ!!』

サンジから聞いた、ルフィが釣り上げた巨大イカの話。
私も1度でいいから釣り上げてみたい。

「釣竿がねぇよ」

『・・・じゃ、作って!』

何で俺が!?とグチグチ言うクザンだが素直に取り掛かる姿に私は笑みが零れた。

クザンのご飯は美味しいし、操縦もしてくれるから大助かり。
順調な航海ライフを満喫中だった。

が、飽きた。
聞いていた冒険話と全く違う。

ニコ・ロビンが乗った船に会わないどころか船自体を見掛けない。

こう暇だと本当に困る。


『・・・風が冷たくなったし、冬島の近くかな・・・
あーぁ、早くニコ・ロビンに会いたいなッ・・
・・・風よ!早くロビンの所へ連れてけッ!!!』

何ちゃって、風に頼んで着くものじゃないし・・
航路さえ知らないのに会うのは運命にかけるしか・・・

『えっ?!!!』

グゥンと、強い力に引っ張られる引力が増す。

波?海流に入った?
いや、違うこれは・・・

「グランドライン特有の嵐か?」

部屋に入っていたクザンが出て来て、空を見上げる。
相変わらず、穏やかな空だ。

より一層、冷たくなった風。
ゾクっと背筋が強張った。

もしかして・・
いや、まさかね・・・?
うん、違う違うたまたまだ、ここはグランドライン。
何が起こるかわからない海だもん・・・

考えを振り払うように、静かにだがどんどん進んで行く船の進路に目を走らせた。








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