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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第2章 海軍本部





「さぁ、ちゃんが戻って来たのなら早く会いに行かなきゃな」
っと、椅子から降りるベガパンク。

『ふーん、ベガちゃんが私以外に興味を持つって珍しいね』

「あれ〜っ、ちゃんもしかして嫉妬?」

『はぁ?!まさか!』

「安心して、俺が興味があるのはちゃんだけだからさッ!
ちゃんの身体から髪の毛1本まで愛おしいと思えるのは俺だけだよ」

そっと私の顎に手を添え、軽く唇に口付けるベガパンク。

『・・前に止めてって言わなかったけ?』

「最近は心まで欲しいと望む様になったんだ。
そろそろその身体も心も俺の物にならないか?」

『ベガちゃんは実験体が欲しいだけでしょ?』

そう言ってベガパンクの手を振り払い、距離を取る。

「うーん、血が欲しいと言い過ぎたのは反省しているよ。
だけど、只の実験体に心を望む事はしない。
ちゃんが嫌がる事はしないって決めたんだ」

確かに私の唇に触れ始めた頃からベガパンクは自ら血をくれとは言わなくなった。
採血の道具も自分の研究所に私を無理矢理連れて行く事もしなくなった。


『・・どうして?』

「この気持ち言わなきゃわからない?
あの日ちゃんの涙を見た時、気付いたんだよね」


私が泣いた、日・・
ここに来て泣いたのはたった1度だけ。


「この子の涙は見たくないって・・
それも他の男を思って泣く姿は見たくないってね」

『・・それ、誰かに言ったの!?』

「まさか、ちゃんの涙は俺の宝物だよ。
いつか全て俺の物にするからさ」



そう言ってベガパンクは部屋を出て行った。
私は、とてつもない失態をしてしまった。

一時の油断も許されないこの場所で、この失態は自分が死ぬ要因になる。

ミホークから散々、言われていたのに・・
少しも隙を見せてはいけない
少しも馴れ合ってはいけない
少しも気を許してはいけない
まるで、呪縛の様な言葉を受け入れ実行していた。

10年守ってきたこの言葉達を私は・・
あの日破ってしまったんだ。




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