第11章 プロローグ2
やっと借りれた電伝虫。
こっちの番号がわからない様に設定して掛けたため、ベガパンクが出てくれるかはわからない。
【誰だ?】
『ベガちゃん?!私、私!!』
【・・何処の誰だが知らねぇが俺を騙そうと
『私だってば!だよ!!!
ほら、処刑台でお昼寝が日課のだよ』
何を勘違いしたのか疑うベガパンクの言葉を遮り早々本題へ移る。
『あのまま海に出たからベガちゃん心配してると思って連絡したの』
【・・・本当にか?
今、何処だ?!直ぐに迎えに行く!!!】
『・・私がそこに戻れないのはもう知ってるでしょう?
嬉しいけどベガちゃんに迷惑を掛けるわ』
【研究所に来ればいい!を匿うぐらい俺には簡単だ!!】
ベガちゃん怒ってるな・・
電伝虫の凄い形相にたじろぐしかない。
『・・・ベガちゃんにお願いがあって連絡したんだけど』
迎えだろ!?と言うベガパンクは無視だ。
『この前借りたボート、あれが欲しい』
ハンコックを迎えに行く時に使った小型ボートだ。
「・・一体何をする気?」
『うん・・』
うんじゃ、わからない
自分勝手だ
と、いろいろ文句を言うベガパンクだか最後には折れ、手配するか1週間後に連絡をくれとの事。
お礼を言ってわたしは電話を切った。
「本当にヴァナタ、Dr.ベガパンクと知り合いだったの〜?!」
・・・えっ?嘘だと思ってたの?
「ヴァナタここを出て行くつもり?
ここを出てどうするつもりよ?!」
『旅しようかと思って、後探してみようかとも思ってる』
イワンコフは、何処にとは聞かなかった。
何をとも聞かなかった。
その代わりに紙の切れ端を私に差し出す。
「ヴァターシのビブルカードよ。
サインを入れてあるわ、何かあればコレを使いなさい」
『ありがとう、イワンコフ』
ヴァターシが手を貸すとか珍しいんだからね!?と、その瞳が潤んでいた。