第11章 プロローグ2
あれから4週間。
まるで追いかけっこだ。
戦うと決めても集団で追いかけ回されるのはやはり、アレなんだろう。
うん、私も集団だと怖い。
とっても優しいけど集団だと凄いインパクトだしね・・
『サンジ頑張るね』
午後のひと時、私はテラスでティータイム中。
「ちゃ〜ん、君は俺の心のオアシスだよ〜〜っ!!」
ガバッと抱き付こうとするサンジを軽々避ける。
それを見たサンジは落ち込んだ様に呟いた。
「はぁ〜、ちゃんみたいなレディに避けられるなんて俺はまだまだ強くならねぇとな・・・」
元気な様子だが内心は違うのだろう。
2年後再会すると教えてくれたサンジ。
まだ、先の事なのに焦っている様に見える。
『・・私は物心付く前からミホークに剣を習ってたの』
「あの世界一の剣豪にか?!」
『うん、そして覇気の使い方は父様。
体術の動きの基礎は、マルコ兄様達に教わったわ』
「父様?マルコ兄様って・・白ひげの?
じゃ、父様ってのは白ひげの事か?!」
驚くサンジに私は話を続ける。
『海軍に入ってからはクザンに悪魔の実の持ち主との戦い方を教えてもらったし、たまに黄猿のおじさまと鬼ごっこみたい逃げ方も教わったのよ』
とうとう、呆気に取られ口を開けたまま一言も発しないサンジ。
無理もない。
今考えば凄い実力の持ち主達に私は英才教育を叩き込まれたのだ。
『今考えれば私は、自分で未来を生きるために必要な事だった。
サンジが必要なモノここで手に入るといいね』
「・・俺は、今でも落ちこぼれだ」
『えっ?』
サンジの消えそうな呟き。
普段聞かないその声に私は、本当のサンジを見たような気がした。
「おっと!まだ体力戻ってねぇのにッッ!!」
遠くから黄色い声がサンジを呼んでいる。
「じゃ、またねっあ〜ん」
さっきの雰囲気はまるで無かった様にいつものサンジ。
早々と街の方へと走って行った。