第10章 頂上戦争 終盤戦
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『帰・し・てッ!!』
「傷の手当てが先だ」
『私は平気よ!手当てするなら先にルフィとジンベエを助けて!!』
「そのつもりだ。2人を助けて欲しけりゃ大人しく待ってろ」
そう言ってローは、手術室へ消えて行った。
「キャプテンに任せておけば大丈夫だよ。
世界一のお医者様だからさ」
そう言って暖かい湯気が上がるコーヒーを差し出された。
『ありがとう』
「あれ?ペポを見てもお前驚かないんだな?!」
ここは、食堂らしき場所。
ローにここに居ろと置いていかれた。
『えっ?シロクマでしょう?可愛いよね』
「ありがとう。僕はペポだよ、君は?」
『私はよ。
海軍少将だったけど・・これからはどうなるのかな?』
それを聞かれても と、シャチと名乗った男は困ったような表情を見せる。
まぁ、確かに聞かれても困るよね。
私、クビかな・・クビだろうな・・・・
「あっ、怪我してるんだよね?大丈夫?」
『うん、海に出たから治るスピードが上がっているみたい』
「「??」」
あっ、この人達ティーチの話聞いてないみたいね。
聞かれても困るしと、私は誤魔化すように笑った。
「おい、って女いるか?」
「いるけど、どうした?!」
「船長が呼んでる。血が足りないらしい」
えっ?私の血?でも・・
早く来いと言われ私は、手術室に向かった。
「悪いがお前の血を分けてくれ。
このままじゃ、麦わら屋は助かんねぇ・・」
血を多く失ったのだろう、ルフィの顔色が悪い。
『・・・でも、私の血は・・』
「海の子一族の血だろ?
血液型が違ってもその血の力なら1滴で充分だ」
1滴で?
了解するとまたあの技を使いローは私から採血した。
そして、確かに1滴だけをルフィの傷口に垂らす。
『えっ?私の血は外気に当たると普通の血になるのに・・』
見る見るうちに器官が自己再生し始める。
「俺の技で特殊な環境にしてあるから外的要因は皆無だ。
それにしても1滴でこの働きは凄い・・」
もう用は無いと呆気なく手術室を追い出される。
追い出されて困った。
道がわからない。
食堂戻るつもりが迷いに迷い、何故か浮上していたせいで甲板に出てしまった。