第10章 頂上戦争 終盤戦
『あれ?ハンコック??』
何故か甲板にはハンコックの姿。
そして手術室にいたローまでもがここにいた。
「呼びに行かせたがお前何処にいた?」
『・・た、探検?』
迷子になっていたとは言えない。
「姉上様!ご無事であったか!わらわは心配しておったぞ」
「「姉上様?!」」
『ハンコックも無事で良かった。怪我してない?
怪我してるなそこに医者がいるから治療してもらって』
「わらわの身体に男が触れるなど吐き気がするわッ!!」
一刀両断とはこの事だろう。
『あははっ、それでルフィの手術は成功したの?』
「あぁ、お前が迷子になっているうちにな」
バレてる・・・
やれるだけの事はやったと言うロー。
「ところでお前、麦わら屋に何かしなかったか?」
『えっ?何かって・・・』
抱きしめて力を与えたと言えば、ローは眉を寄せため息を吐いた。
『私、余計な事しちゃった?』
「いや、逆だ。
ジンベエおそらくだが、お前が心配している事は大丈夫だ」
と、私を親指で指差すロー。
何の話だろう?
「・・あぁ、あの時か・・・少将が突然とは思っていたが・・」
ジンベエは私に穏やかな表情を見せた。
『うん、よくわからないけど。
それで、これからどうするの?』
ハンコックが呼んだ船で女ヶ島にルフィを養生させ、軍艦に乗っていたイワンコフ達はカマバッカ王国へ向かうそうだ。
『じゃ、私もそれに乗せてもらえる?』
「・・それとはどっちだ?」
微妙に低い声のロー。
『決まってるでしょ、イワンコフ達の船よ』
「・・・」
「姉上様、わらわの島へ来ぬのか?歓迎会を開こうと思っておるのに」
「行こうよ。ねぇ、キャプテン船に乗せていいでしょう?」
『ごめんね、私やる事があるから』
「やる事って何だ・・・?」
仏頂面のローにわたしは苦笑いを返した。
助けてくれたのは感謝している。
探していたと聞いて嬉しかった。
だけど、私は父様達の意志を継ぎたい。