第10章 頂上戦争 終盤戦
「わかったよい。
だがはここにいろい、動くな!」
クロコダイルが助けに入り、バギーの元へ飛んで行ったルフィとジンベエを視線で追いながら私は頷いた。
『わかった。
どうせまだ、自力では動けないから。
マルコ兄様が迎えに来るの待ってるわ』
そう言うと、マルコ兄様は私の頭を撫でて赤犬の元へ飛んで行った。
『・・・さようならマルコ』
痛みを我慢して、立ち上がる。
バギーを見ると黄猿のおじさまの攻撃を避け、浮上してきた潜水艦にルフィとジンベエを預けているところだった。
『あれは、確か・・・』
これでルフィ達は大丈夫だ。
残るは・・・
ティーチとセンゴクの戦いが見える場所まで戻る。
このまま放って置くことなんてできない。
見えたと思った瞬間、背後から戦いを止める一声が響き渡る。
あれは・・コビー?
赤犬の前に両手を広げて立ちはだかる海兵の姿。
誰もが思い口に出来なかった、行動に移せなかった言葉。
彼は伝えてくれた。
だが、それを簡単に許す赤犬ではない。
赤犬のマグマの拳が襲う。
『・・ダメッッ!!』
嘘・・
何でここに?
ドン!!!!っと破裂音が響いたかと思うとコビーを守ったのは四皇 赤髪のシャンクス。
この戦いを止めに来てくれた。
パッとシャンクスと視線が絡み合う。
『・・・来るの遅いよ』
「ふふっ、ワリィ、道に迷った。
だが、まだ生きていてくれて俺は嬉しい」
道に迷ったって・・
妙に肩の力が抜けたと思った時また、あの声が聞こえた。
“ROOM”
あっ!
『シャンクス!マルコ兄様にまたねってつ』
“シャンブルズ”
言い終わる前に目の前の景色がガラリと変わる。
そしてあの時と同じように私は、またあの男の腕の中にいた。
『・・・また、間違ったの?』
「・・・いや、今度は合っている。
お前を探していた」
『・・・そう、でも私今忙しいの。
戦場に戻してもらえるとありがたいんだけど』
死の外科医 トラファルガー・ローは、その傷でか?と、ニャリと笑うと私を潜水艦の中に入れる。
そして、飛んできた麦わら帽子を掴むと潜水しろと言い、間一髪艦は青雉や黄猿の攻撃から逃げ切った。