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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第5章 流れの渦





「食えなくなったら、何時でも来いよ」

『・・・あら、奢ってくれるの?!
楽しみにしとくわ』

ちゃんと笑えているだろうか。
ちゃんと言えているだろうか。

『さて、マルコ兄様が起きたら五月蝿いからその前に出なきゃ。
・・・・さようなら・・・・・シャンクス』

「・・・あぁ、元気で・・」

振り返ってしまわない様に船内に飛び込む。
目を瞑っても辿り着ける、行き慣れた部屋へ一直線に向かった。

ドアを勢い良く開け、マントとストールと剣を探す。
身に付けていたのはこれだけだ。


「!!?」

『あっ・・ごめん起こしちゃった』

「いや、平気だよい。
・・、体調・・・・何をしているんだい」

マントを羽織りストールを巻く私を怪訝そうに見つめ、ある考えに行き着いたのだろう。

「・・倒れたばかりだい。
もう少し寝てろいっての」

『大丈夫だよ』

腕を取ろうとするマルコ兄様の手からすり抜ける。

「・・・何をそんなに急いでる?」

『・・何が?ただ、長居し過ぎちゃったし迷惑ばかり掛けちゃったからさ』

シャンクスに言った同じ理由を口にする。

「迷惑なんて少しも思ってないよい」

『うん、ありがとう。
でも、もう行かなきゃこれでも少将なんだよ私』

だけど、マルコ兄様の顔は見れない。
マルコ兄様を騙すなんて私には無理だから。

父様によろしく と、声を掛け扉へ向かう。

「・・・ッッ」

『えっ・・マルコ兄様?』

背後から手が伸び、気付いたらマルコ兄様の腕の中にいた。

「・・オヤジはエースを助けに海軍本部と戦争を起こす気だい。
次、に会う時は敵同士になっちまう」

『そ、うだね』

「・・・次、に会ったら連れ去ってもいいかッ?」

えっ?
マルコ兄様今、何言った?

ギュッと抱き締めるマルコ兄様の腕の力が強まる。

マルコ兄様は、
お前を次、見つけたら海軍から奪う と言って私の髪に唇を落とした。










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