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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第5章 流れの渦






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暗い暗い闇の中だった。
流れ溢れる情報の山から抜け出そうともがいてもがいて、それでも溺れそうな程の量が雪崩れ込んでくる。

シャンクスの記憶
エースの記憶

時折、重なり離れた過去。

あぁ、そうだったのか・・
私が産まれた意味
私が守られた理由
やっと、わかったよ。



『ーーーぅぅっーー』

パッと瞳を開ければ、涙が滲んでいた。
悲しくはなかったのに浮かんだ涙。
それをいつも拭ってくれた人は、今隣でぐっすり寝ていた。

また、倒れちゃった・・

力の暴走。
止められない。

どうしてこんなに制御出来ないのか理由がわからなかった。

疲れているのだろう、そっとベッドから降りても気が付かない。
これも私のせい。
マルコ兄様には、迷惑ばかりかけていた。

起こさない様にそのまま、甲板に向かう。
通り慣れた、あの頃とちっとも変わらない船。


冷たい潮風が寝汗で張り付いた身体を冷やしてくれる。

冬島が近いのだろうか・・
この船は今、どこに向かっているの?


「・・起きて平気か?」

上から聞こえた声。
気配がしなかった。
手摺に寄り掛かり、盃を煽るシャンクス。

『・・・ええ、迷惑かけてごめんなさい』

「いや、俺の方こそ済まなかったな」

夜明け前のシーンとした独特な空気が私達を包み込む。

この人に言いたい事がある。
聞きたい事がある。

だけど、直接口にする事はまだ出来ない。


『・・この船、何処に向かっているの?』

「白ひげの縄張りの島だったか、とりあえずそこで様子を見るようだ」

そう、間に合わなかったのか・・
記憶が確かなら、エースの事は伝えれたはず。
直ぐに助けに行かないのは、もうエースが簡単に手が届く場所にいないって事。
マリンフォードかインペルダウンに連行された後なのだろう。

インペルダウン
凪の海にある海底監獄。
脱出はまず無理な大監獄だ。




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