第3章 危険海域
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「赤髪が来た」
ジョズと俺は緊迫する甲板で若い船員に退がれと指示を出す。
赤髪見たさに出ていた船員は戸惑っている。
「いいから奥へ行ってろい」
ビリビリと伝わってくるこの感じ。
全力では無いだろうが、慣れねぇ奴らにはちっと厳しいはず。
案の定バタバタと倒れる船員達。
「え!?おいお前らどうした!?」
あぁ、相変わらず・・
スゲェ覇気だ。
慣れないヤツはひとたまりも無いだろうい。
ビリビリ痛い空気に微かに聞こえる声。
こんな最中に誰だ?!と、思い辺りを見渡す。
聞こえてきたのは、水面近く。
こっちに手を振っている。
『あっ!良かったマルコだ!!
おーい、マルコぉぉぉ!
不死鳥のマルコさーーん!!
乗せてーーーぇっ!!』
誰だあれは・・
顔を布で隠し海軍マントを着て、両手をこっちに伸ばすその姿はまるで抱っこを強請られている様だった。
おいおい、海軍将校を助ける義理はねぇよ・・
「グララ・・・マルコ、乗せてやれ」
「オヤジ?!」
今から赤髪との対面だってのに一体何を考えてるんだよい。
仮にもマント着用しているっう事はそれなりの実力者なはず・・
「何をモタモタしてやがる、さっさと乗せろッ」
「・・了解」
誰だって構うか・・
オヤジには指1本触れさせねぇ。
不死鳥の姿になり、近付けば思ったより小柄だった。
「ってぇ!お前女かいッ!!」
『良かった来てくれて!
マジ、助かったよありがとう』
そう言って慣れたように俺に捕まる女将校。
終いには早く飛べ、ついでに高く一回りしてくれたら嬉しいとまで言いやがった。
だが、そんな暇はねぇ。
要望はそのまま無視して俺は甲板へ降りた。