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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第3章  危険海域






「少将?」

サッと視線を向け黙る様に促す。
この感じは・・・

来てる。
何処に?!

視界に広がる海は静かで、水平線の彼方まで見通せるが海賊船など見えない。

いや、これは!!

『右舷旋回!!
全軍衝撃に備えろッッ!!!』

突然の命令。
瞬時に反応出来たのは、私が普段から指揮する船員達だけだった。

刹那、船底から唸りを上げる様な衝撃波が戦艦を襲う。
素早い身のこなしでダイギンが私を抱え船尾へと飛ぶ。

『ダ、ダイキンッッ!!』

「また来ます!
舌を噛みますので喋るなッ!」

次は、衝撃波では無く鋭い刃の様な斬撃が戦艦を真っ二つに切る。

この切り口は・・!?
ミホークより雑だけどパワーがある。

「捕まって下さい!飛びます!!」

私の返事を聞かず、足場を次々に飛び動くダイギン。
何とかまだ浮かんでいる場所を見つけ、私を下ろした。

「他の艦は木っ端微塵ですね」

右舷旋回出来たこの艦だけが真っ二つで済んでいた。
それでも甚大な被害には変わりない。

船員は何とか浮かぶ戦艦の残骸に捕まっている状態。
他の2つの戦艦の船員達の安否は不明だった。


「少将、右舷からモビー・ディック号、白ひげが来ます」

船首が鯨を象っている船。
見惚れそうな程、美しいがそんな暇は無い。

「背後からは赤髪です」

戦艦の瓦礫の山をもろともせず、1隻の船が私の真横を横断した。


「まだ、生きてたか・・
悪いな、進路の邪魔だったもんで退かせてもらった」

あれが・・・
四皇 赤髪のシャンクス。

ゴクリと生唾を飲む。
その堂々とした風格と威圧感に私は、一瞬で感じた。

この男を白ひげと戦わせてはいけない!と・・・


『・・・ジンベエに船員の救出命令を出せ。
その後、この近海から1番近い海軍駐屯基地へ向かえ』
「・・少将!貴方は・・・」

『私はここにこのまま残る』
「でしたらご一緒し
『私の部隊を誰に託せと言う?
ダイギンお前しかいない、後は頼んだ』

ダイギンに有無を言わさず、私は散らばった戦艦の瓦礫を足場に飛び進む。

この先、誰かがいたら私は自由に動けない。
海軍の正義のコートを翻し、目指すは2隻の海賊船。






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