第22章 麦わらの一味
「子供?」
聞き返した俺に強風の中、が話し出してくれた。
あいつと会った事。
1人の女、そして子供。
それを知ったの結論は聞かずにもわかった。
『気持ちだけは伝えたの・・
これ以上隠しておけなかった・・・』
大粒の雨が涙と共にを濡らす。
そこで、俺はふと気付いた。
これは、の気持ちのせいか。
気付いたら俺はを抱きしめていた。
「・・わかった」
優しく包む様に抱きしめる。
今まで1人で抱え込んでいたのだろう、雨脚の強さと共にの嘆きが俺の耳に届いた。
俺は卑怯だ。
あいつ事を思って涙するに俺は伝えていない。
言うべきか躊躇していたが結局言わなかった。
ミホークから聞いたあいつの気持ち。
白ひげに宣言するほどの想い。
俺はに言う事が出来なかった。
恐かったんだ。
それを知ったの反応が。
想い直して、あいつに会いに行くかもしれねぇ。
聞いてもの気持ちは変わらねぇかもしれねぇ。
俺は恐かった。
この腕のぬくもりがどこか遠くに行くのが恐かったんだ。