第21章 Z
眠り続けたが目を覚ましたのは朝。
具体的時間はわからねぇ。
4時までは記憶があるが、いつの間にか寝てしまいが起きた気配にも気付かず今に至る。
寝ていたはずのベッドには姿が見えず、慌てて医務室を出た俺はキッチンでの姿を見つけ安堵したと同時に苛立ちが募った。
楽しげな笑い声をあげるのそばにいるのは、サンジ。
あのクソコックと2人仲良く料理を作っていたのだ。
「あら、剣士さんおはよう」
「・・あぁ」
椅子に座り、コーヒーを飲みながら2人を眺めていたロビンの横に俺も憮然とした表情で座った。
気に入らない。
笑うの横にサンジがいる事が気に入らない。
「ふふふ、朝からご機嫌斜めね」
「うっさい」
わかって言ってるのだろう。
だが、ロビンの言葉を流せねぇ。
『あっ!ゾロおはよー』
やっと俺に気付いたがコーヒーカップを俺の前に置いた。
『昨日はごめんね。
心配かけたよね?』
「・・もう、大丈夫なのかよ」
『うん、ちょっと疲れが溜まってたみたい』
そう笑うは、直ぐにサンジの元へ戻った。
手際良く料理を作るの姿。
意外と様になっていた。
「あら?は料理出来たのね」
『えっーー!?私出来ない様に見える?』
笑って誤魔化すロビン。
「意外にちゃん上手いんだよな」
『意外は余計です』
「誰かに習ったのか?」
サンジの言葉にピタッと手が止まり、笑顔が消える。
あっ、やべぇ と、思った時には遅かった。
『・・・うん、兄様達に』
の突然な変化にたじろぐサンジ。
ロビンも驚いた様な視線を向ける。
それもそうだろう、こいつらが会った時に兄達の話をしていたとしてもその時は笑顔だったはず。
だが、今の顔はそうではない。
その表情で聞きたかった1つの事がわかった。
そしてまた、出てくる疑問。
何であいつはの手を取らなかったのか?
「来い」
キッチンへ入り、無理矢理の手を掴み連れ出す。
嫌がるかと思ったが何の抵抗も無くついて来る。
サンジとロビンはその後ろ姿を静かに見送った。