第3章 危険海域
「まぁ、この調子でいきましょう」
『いや、期待されても困る。
これはその・・ベガのせいで・・・』
「Dr.ベガパンクですか?
彼が一体何を言ったんです?
今後の参考にしますので是非教えてください」
『参考にしなくていいッッ!!』
参考にされて堪るかッ!
隠さないとバレてしまうだよぉ!!
隅から隅までマーキングされた痕。
真っ赤に内出血した、俗に言うキスマークはマントを羽織らなければいけない程。
船上での日課、日光浴も断念ざるをおえなかった。
不覚だった。
不覚中の不覚。
あのまま寝落ちしてしまうとは・・・
[ 太陽の日差しで目が覚めた私は、妙な気怠さを感じていた。
そして、乗りかかった様な重たさ。
眠気まなこで起き出すと私は、ベガパンクの腕の中にいたのだ。
声にならないとはあの状況を指すのだろう。
身体に残るキスマークの痕。
下腹部の違和感。
味わった事のない、気怠さ。
スヤスヤ眠るベガパンクの寝顔。
瞬間的に昨夜の出来事が蘇った。
「えっ?ちゃん!?
何故泣いてるの!?」
泣き声に気付き起きたベガパンク。
慌てて私を抱きしめた。
『兄様・・怒られる・・・
そういうのは好き同士・・するものって
怒る・・・』
めちゃくちゃな私の言葉を理解したベガパンクは悲しそうな顔で優しく私の背中を撫でてくれた。
「、ごめんな。
順番が逆になったけど、俺はが好きだ。
愛してる。
が俺の事どう思うかはゆっくり考えて。
そして、答えを出して。
俺はいつまでも待ってるから」 ]
「ーー少将?どうしました?
顔が赤いですが熱ですか?!」
『だ、大丈夫ッッッ!!』
ヤバい。
トリップしてた。
ここは船上。
それも今から戦いが始まるかもしれない緊迫した場所。
私は頭を振るい雑念を飛ばす。
ベガパンクの事は後から考えよう。
今は目の前の任務だ。
センゴクが何を考えているかは定かではないが、監視だけなら何事も無くイケるはず!
ハッ!
この感じは・・
突然感じた違和感、私は辺りを見渡した。