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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第21章 Z





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雨が降る。
久しぶりの雨だ。

あの日、マルコと別れた日も雨が降っていた。
まるで私の気持ちと寄り添うかのようにシトシトと降る。

道の先では、クザンがルフィ達と話をしていた。
ゼファーが今から行おうとしている事を話しているのだろう。

私はその中に入る事はせず、濡れるのも気にせず空を見上げていた。

「・・」

『ゾロ・・』

私の顔を見たゾロはそれ以上何も言わず、手を掴み歩き出した。
みんながいる軒先きに私を座らせる。

濡れた髪をゾロが丁寧に拭いてくれた。

その間話を進めているみんなは、いつもとは違う雰囲気。
賑やかなイメージがあった麦わらの一味から醸し出される雰囲気は張り詰めていた。

ルフィはゼファーを追うと宣言している。
みんなもそれについて行くらしい。

「、行く前に聞きてぇ。
あいつは何と言ったんだ?」

ゾロ・・
あの人は・・

「先生は、否定も肯定もしなかった。
知らないの一点張りだったのさ」

「!!」

他のみんなは、話がわからずにいるが聞いてくる様な無粋な真似はしなかった。

そう、ゼファーは何も語らなかった。
何1つ変わらないままだ。

『ねぇ、ルフィ』

やっと口を開いた私は、ルフィに視線を向ける。

『あの人を止めてね』

「「「!!!」」」

『あの人は・・
止めてあげなきゃいけない』

苦しんでる。
過去から逃れられない程の苦しみ。

ゼファーを突き進めているのは苦しみだった。

「勿論だ!
絶対麦わら帽子を取り返す!!」

相変わらずのルフィに安心する。
ルフィに任せておけば大丈夫だと何故かそう思った。

クザンは最後まで見届けると言ってナミにエターナルポースを渡して去った。

「そうとなれば、最強装備だ」

フランキーの言葉にみんなが戦闘準備を始める。

「」

『ゾロ・・?』

「これが終わったら話がある」

真剣な眼差しに私は、戸惑いながらも頷いた。

赤色の洋服を着て、船に乗り込むみんな。
それに私もついて行った。

私も見届けなければいけない。
父親かもしれないあの人の生き様を見届けなければいけない気がした。




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