第20章 プロローグ3
ー新世界ー
ティーチとの一戦は死闘を繰り広げられていた。
いつ負けてもおかしくない戦い。
だが、俺は負けられなかった。
あの日決意した想いを遂げるため・・・
がいなくなって3日後。
「答えは変わらないのね?」
ユキが離れて座る女の子、に目を向けながら言った。
「・・あぁ」
「あの子がいなくなっても変わらない?」
「あぁ、変わらない」
「そう・・
あーぁ、やっぱりあの子には勝てなかったわ」
空を見上げるユキに俺は何も言えなかった。
そんな俺にクスクスと笑い声を上げる。
「もう、マルコは・・
餞別に教えてあげる。
あの日あの子はあの場にいたわよ」
「・・・えっ?」
「出航だーーーーっ!!!」
もう1度聞こうとした時、仲間の叫びが聞こえた。
「じゃ、マルコ元気で」
「ま、待てッ!」
「こら、マルコッ!!ぼけっとすんな行くぞッ!!!」
イゾウに引っ張られ、船に乗る。
ユキに聞きたい事がまだあったのにそんな隙はない。
見る見るうちに船は岸を離れて、海に出た。
「・・どういう事だよい」
あの日って・・
ユキと話したあの日の事か?
あの会話をが聞いていたって事か?
「だからか・・・!」
突然いなくなった理由がわかった。
だったら、もう遠慮はしねぇ。
諦めるつもりだった。
だが、無理矢理でも嫌がっても俺は手に入れてみせる。
そう、あの日にそう誓ったんだ。
「貰ったッッ!!!!」
「マルコ隊長ッッ!」
背後から急激に伸びてくる闇。
俺を包み光を閉ざす。
聞こえてるのはティーチの笑い声だけ。
その瞬間、そっと風が吹いた。
懐かしい様なあたたかな風が・・・