第20章 プロローグ3
ー新世界ー
凍てつく海に1台の自転車。
そばには大型帆船。
「貴方まで辞める事ないでしょう」
この人は止めても無駄だとは、わかってはいた。
「何をするつもりですか?」
「己の正義を貫く」
妻と子、同時に失くした悲しみや怒りはわからんでもない。
だが・・・
「貴方には、まだ他にいる」
「・・何を言っているんだ?」
とうの昔に忘れさられたのか・・
それとも、知らないのか・・
俺はこの方を、不憫でならなかった。
「どうだ、お前も一緒に行くか?
準備は整い始めた、時期に時が満ちる」
「まさか、俺は貴方の様な志は持ち合わせいない」
そうか と、微かに笑う。
「先生・・・」
まだ、若い女の将校。
一緒に辞めたのか・・・
俺は船を離れ、黙って見送った。
その、逆さまになった海軍マークに剣が突き刺さったドクロを・・・