第18章 第8話 再会
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連れられて店を出た私は、イゾウの部屋にいた。
借りているだけの部屋だけど、イゾウがいつも使っているお香の匂いが満ちていて心地良い。
『それでイゾウ兄様話って?』
話があると言われて来たが、イゾウは何やら飲み物を入れているようだ。
「これは、お茶って飲みもんだ。
まぁ、久しぶりに会ったからね、ゆっくり話してでもしょうかと思ってさ」
『あっ、美味しいこれ!』
「気に入ってもらえたのなら良かったよ。
さて、マルコと何かあったのか?」
『!!』
テーブルに肘を付き、顎に手を添えて笑みを浮かべるイゾウ。
わ、忘れてた・・
イゾウには嘘が通じない、何故か・・
『・・・』
黙ったままの私にイゾウは追い討ちをかけてくる。
「ねぇ、。
その首のストールいい色だね、取って見せてくれないかい?」
『えっ?!これ!!?』
頷くイゾウに悪いがストールを取る事は出来ない。
「兄のお願い聞いておくれ」
強い視線にその言葉、私が逆らえない事を知っている。
渋々、ストールを外しイゾウに手渡すが私は顔を上げれなかった。
イゾウもわかっているのか、ストールを見たいと言ったわりには視線を私に向けたままストールを見ていない。
「、お顔をお上げ」
ビクッと肩が揺れる。
「怒ってるわけじゃないんだよ。
俺はただ、が心配なだけさ」
優しい声色に私は、恐る恐る顔を上げる。
「・・・」
『お、怒んないって言ったじゃんッッ!!』
私を見た途端、般若の如く表情を変えたイゾウ。
手にしていたカップは木っ端微塵、バラバラとなりお茶が溢れていた。
「、誰だい?」
『・・・』
「、誰がそれを付けたんだい?」
黙ったままの私にイゾウは般若顔のまま、笑顔を向けた。
恐ろしかった。
だから、見せたくなかったんだ。
首に残る紅い痕を・・
昨夜付けられたキスマークを・・・