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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第16章 第6話 パンドラの箱





ポロポロと声を上げずに泣く。
その涙をそっと拭ってやる。

泣かせるつもりはなかった。
に泣かれるとどうしょうもなく困る。

慰め方を知らねぇ俺は、黙ってその涙を拭ってやる事しか出来ない。


『・・ごめん、ごめんなさい』

何故、謝る?
謝るぐらいならその心に詰まったシコリを吐き出して欲しい。

『マルコ兄様とはずっと一緒に暮らしてた。
マルコ兄様への好きと他の兄様や父様への好きは同じだと思ってた』

少しづつ落ち着き始めたが、ポッポッと話し出した。
俺はの背中を撫でながら相槌をうつ。

『でも、初恋だったみたい。
そしたら気付いちゃったんだ・・
マルコ兄様は、私を妹としか見ていないって』

そりゃ・・
悲惨だな。
近くにいればいる程、辛すぎる。

『クザンが言ってたの・・
LoveとLikeの違いを教えてくれた』

「・・青雉は何て言ったんだ?」

気になった。
気になる以上に青雉とそんな話をした事が気になった。

『その男の子を孕む覚悟があるかって』

「・・・」

間違いじゃねぇ。
確かに間違いじゃねぇが、他に言いようがあっただろう・・

真面目なフリして、青雉はどこか適当さがあると俺は頭が痛くなり始めた。

『それで考えたの・・
そしたら・・・マルコ兄様しか出てこなかった・・』

おかしいよね、兄妹なのに と、無理に笑う。

『ベガちゃんでも他の兄様達でもクザンやロー、今まで出会った男の人みんな思い浮かべたけど・・
それでもマルコ兄様が消えなかったの・・・』

「だったら何故俺に抱かれようとした?」

好きだとわかっているのならそんな事言わねぇはずだ。

『・・私、無意識にマルコ兄様を探してしまうの。
何処で何をしてるのか・・・
特に満月の日は力が制御出来なくて・・
見つけてしまうの・・
で、見つけた時・・その・・・』

顔を伏せるの様子で言いたい事がわかった俺は、言葉を遮った。

『言いてぇ事はわかった、それで俺に抱かれるのにどう繋がる?』

不憫だ。
見たくねぇモノまで見てしまうその力。

忘れさせれるなら忘れさせたい。



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