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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第16章 第6話 パンドラの箱





ゾロの言葉が私の心に溶け込んだ。
今まで頑なに拒んでいた何かが消えた。

『・・そっか』

ゾロに言われるとは思わなかった。

『そうだよね』

血の繋がりより、これまでの繋がり。
私を育てて守ってくれたのは、あの人じゃない。

「・・さ、吹っ切れたなら続きするっぉわっ!!」

立ち上がったゾロの背中に飛び乗った。
ギュッとその身体に抱き付く。

「お前ッ!離れろッッ!!」

『ゾロありがとう』

「わかった!わかったから、早く離れろッ!!!」

ジタバタするゾロ。
そう反応されると逆に離れたくなくなる。

『いいじゃん!一緒に寝た仲でしょ?
照れちゃって可愛い〜っ』

「違ッ!
いいから離れろ、こんな姿見られちゃまた誤解を招くッ!!」

無理矢理剥がしたゾロの力の勢いで、私は重力に逆らえず後ろへひっくり返ろうとした。

『きゃっ!』
「ーーーっっ!!」

ードサッー

草花の匂い。
ドクドクと激しく聞こえる心音。

「っっ危ねぇッ」

頭の上から聞こえる声。
私は、ゾロに頭と身体を抱かれたおかげで衝撃を免れた。

「大丈夫か?!」

ガバッと身体を起こし、私の身体から腕を抜くゾロ。

『う、うん・・
平気、ありがとう』

ホッとため息が漏れたと思った途端
ガチャと刀の刃がゾロの首筋に充てられた。

「!!?」

「お主、そこで何をしている」

「鷹の目・・」
『ミホーク!これは!!』

側から見たら、私はゾロに押し倒された様にしか見えない。

「に手を出すなと言ったが・・
忘れたのか・・・」

「出してねぇ!!」

『ミホーク!ゾロは私を
「は黙ってろ。
例え血が繋がってなく、が父親が求めていたとしても俺はを娘だと思っている。
俺の娘に手を出す輩は、何人たりとも許さない」

『・・・』

ミホーク、そう思ってくれてるんだ。
私の事を娘だと思ってくれてる・・・

『ミホーク!大好きッ!!』

そう言って私は、ミホークに抱きついた。

慌てるミホークに私は、離れなかった。
嬉しかったんだ、とても嬉しかった。


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