第16章 第6話 パンドラの箱
「それでいつ出航するんだ?」
『3日後にと思ってるよ』
食事後のコーヒータイム。
クザンの問いに私は答えた。
ミホークに聞く事は聞いた。
けど、いくら尋ねても教えてくれない。
「どこかで食糧補給しねぇとな〜」
ログが溜まるのに後3日。
まず、最寄りの島に行く予定だ。
今までは、革命軍の船やチョッパーから分けてもらっていたが、この島には、食糧という食糧がない。
『居る間教えてくれるといいんだけど・・』
視線を投げかけても肝心なミホークは、新聞を見たまま微動だにしない。
ダメだな・・
これは、絶対喋らないパターンだ。
「おい」
ため息を吐いていた私に、ゾロが立ち上がり声をかけてきた。
『何?』
「修行に付き合え」
『・・ヤダ』
途端に青筋を浮かべるゾロには悪いが修行するつもりはない。
ミホークが言ってたとしても何故私だけ言う事を聞かなければいけないのか甚だ疑問だ。
「」
やっと新聞から視線を外し、私を見たミホーク。
その目は、ゾロと行けと言う。
『・・ヤダ』
睨み合う私達、そんな様子にゾロは付き合ってられないのか1人 扉を開けて出て行こうとする。
「______だ」
えっ?ミホーク?
「_____がお前の父親だと言っている」
最初何を言ってるのか理解出来なかった。
突然、出て来た名前。
予想だにしない名前に私は勿論、ゾロもクザンも固まったまま動かない。
「誰と思っていたかは知らねぇが、の持っていたビブルカードを以前追った結果だ」
生まれた時、母親に持たされていたビブルカード。
イニシャルが書かれた沢山のカードの中で、1枚だけ書かれていないカードがあった。
燃え尽きる事なく、まだあるそのビブルカードは父親の物だと思っていた。
『あの人が父親じゃなかったの?』
初めて会った時、黒ひげの話。
辻褄を合わせれば、あの人しかいないと思っていた。
「・・、世の中は残酷だ。
しかと、その目で焼き付けろ」
そう言うと、ミホークは部屋から出て行った。
「おい」
その後をクザンが追いかける。
ゾロと2人この部屋に残された。
私は、動く事が出来なかったのだ。