第15章 第5話 古城
「・・ルフィは・・・」
『彼は大丈夫。
だって貴方達、仲間がいるもの』
だけど、あいつが1番大変な時に力になってやれなかった。
「・・凄まじかったんだろうな」
海軍指折りの強豪達。
戦ってみたかった、あいつのそばで力になってやりたかった。
『・・見てみる?』
「あぁ?」
『私の記憶・・
あの場所、処刑台から見た私の記憶なら見せる事が出来るよ』
そんな事が出来るのか?
『ただし、条件がある』
「・・何だ」
『私と今夜一緒に寝て、出来ればここにいる間ずっと』
「・・・はぁ?!」
聞けば、怖くて1人では寝れないと言う女。
他のヤツの所に行けと言えば、グスグズ愚痴を零す。
『だって、無無理矢理聞き出したせいでミホークとはまだ気まずい。
クザンは、何か怒ってるし1人で寝ろって言うんだもん』
それで残された選択肢が俺ってわけかよ。
妙に苛立つ気持ち。
「1人で寝りゃいいだろ?!」
『無理!無理ったら無理!!
ゾロは私の記憶見たくないの?』
うっ・・!
「本当に見れるだな?」
頷く女に俺は、ちゃんと見れたらと条件を付けた。
『じゃ、早速ベッドに寝て』
促されるままベッドに横になる。
何をする気かと思えば、俺の腹の上に跨った女。
「おいッッ!!」
『こうしなきゃ、おでこに届かないんだもん。
座って出来るけど結構長い記憶だし、こっちが楽』
そう言うと、俺の額に女の額があわさった。
「ーーっっ!!」
まるでキスするかの様な距離感。
吐息があたる。
『目を瞑って、気を楽にして。
一気に入り込むから』
どうにでもなれッ!
そう思った瞬間、塞がれた唇。
「おまっーーッッ??!!!!」
口を開けた途端、鉄の味。
血だとわかった瞬間、頭の中に映像が流れ込んできた。
海軍本部。
海兵、将校、3人の大将達。
そして、エース。
次から次へと場面が流れる様に変わり。
リアルに感じる土煙りと血の臭い。
そこへ、ルフィが現れた。
白ひげ、マルコ達他の海賊達がルフィに力を貸していた。
そして、崩れ落ちるルフィ。
そのルフィを抱きとめていた。