第15章 第5話 古城
『私の父親が誰かミホークは知ってるんでしょう?』
「・・・知ってるが教える気はない」
『何故?!』
「本人に聞くチャンスはあったはずだ。
何故本人に確かめなかった?」
『そ、それは・・・』
「聞く勇気が無かったか?
ならば、知らぬままの方がよい」
そう言って立ち去る鷹の目。
気遣う様な視線を送る青雉だが何も言わず鷹の目の後を追いかけて行く。
この場に残ったのは女と俺だけ。
くそ・・
このまま俺が立ち去るわけにはいかねぇよな・・
何も言わない女の手を俺は握り歩き出す。
『えっ?』
まどろっこしい事は面倒だ。
「城へ戻る。
知りてぇならもう1度聞けばいい」
『でも、ミホークは教えてくれない』
「言うまで聞けばいいんじゃねぇか。
自分の親の事だろ、諦めていいのか?」
それ以降、口を閉じた女は俺に引っ張られるまま城へ戻った。
ミホークの部屋まで送ったが、その後どうなったは知らない。
食事の席にはいなかった。
女もミホークも来なかったんだ。
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夜遅く。
鍛錬を終え、俺は部屋の前に座り込む人がいた。
小さなその身体。
頭からフードを被り、微かに身体が震えている。
「そこで何をしてんだ」
俺の声に慌てて顔を上げた女。
気配に気付かなかったのか?
『・・・ゾロ、だよね?』
「・・あぁ」
それがどうした?
肯定すると女は嬉しそうな笑みを浮かべた。
『サンジから話聞いてる』
あの野郎からか?!
どこで聞いた?あの野郎は無事なのか?
詳しく知りたくて、俺は女を部屋に招き入れた。
キョロキョロ部屋を見渡し、ソファーに座った女に早速俺は尋ねたんだ。
『サンジ以外にもロビンとチョッパーにも会ったよ』
「・・みんなは
『元気だった。
みんな会う日まで自分がするべき事を頑張っていたよ』
「そうか・・・」
3人とも無事か・・
あの日飛ばされたまま、安否がわかなかった。
だが、無事とわかれば他の奴らも何処かで生きているだろう。
『・・ルフィとも会ったわ』
「頂上戦争か?」
『うん、でもその前にインペルダウンに向かうハンコックと一緒にいる時に初めて出会ったの』