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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第15章 第5話 古城





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女をこの腕で抱き締めたのは、久しぶりだった。
華奢な身体、簡単に折れてしまう様な細さ。

守らなきゃ死んでしまう命と俺の中で位置付ける程の弱き存在。

怯える女は気配に敏感だった。
俺より先に、ある存在に気付く。

殺気を伴った凍てつく様な気配。
1度対面したことあるあの男がこの島にいる。

何故だ?と考えるより先に身体が動いた。
ここに近付けてはいけない。
そんな気がしたんだ。

凍った跡を追い掛け、見つけたあいつは燃えるような瞳を灯していた。

「何故お前さんがここにいるんだ?」

「それはこっちのセリフだッ」

足元から冷えた空気が辺りを満たしていく。
あの時に会った人物とは思えない。

「悪いが相手している暇はない」

何をしにきた?
何を焦っている?

睨み合うなか、普段使わねぇ頭で考えたが答えが出るはずもねぇ。

その刹那
どちらの攻撃が速かったか
それとも同時に動いたのか

混じり合う攻撃。
少しの油断も出来ない。

俺の刀がヤツの腕を掠め、ヤツの氷が俺の頬を掠めた。

「邪魔だ」
『退いてッ!』

「「!!??」」

再び出方を探り、睨み合っていた俺達の間を2人の人物が飛び降り、また素早く飛び跳ねて行く。

「・・・今のは何だ?」
「鷹の目!・・ッッ!!」

呆気に取られた俺達の戦意は忽ち消え失せ、去った2人に視線を奪われる。

あの女・・・?!

「ッ!
鷹の目に会いに来た癖に何で闘ってんだよ」


青雉の連れだったのか?
だとしたら、こいつはあの女を探していたのか?

疑問が渦巻き、俺を苛立たせた。
その上、視線の先で剣を交える2人の姿に俺は尚一層 怒りが沸き起こる。

「・・あの女何者だ」

華麗に舞う様にしなやかな身体の動き。
無駄なく動く姿は一見、ミホークそのもの。
完全にその動きをコピーしているかの様だった。

「あの子は海軍少将、元だがな」

「それだけじゃねぇだろ?!」

それだけじゃねぇ。
あの鷹の目が本気で相手してやがる。
俺には、まだネックレスの短剣しか使わねぇのに女には黒刀 夜 を使っていた。





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