第14章 第4話 2人の男
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「キャプテ〜ンッッ!!船が壊れちゃう!!」
「壊れたら直せ」
ペポの叫びを聞きながら俺は手術道具の準備を始めていた。
いつ着くはわからねぇ。
だが、着いたら直ぐに動ける様にしとかねぇとヤバイ。
「船長!この風一体何ですか?!」
「風は風だ、この風に置いて行かれるな」
ペンギンの疑問も当たり前だろう。
突然吹き始めた、突風。
この船を南の海まで運ぶ風。
「船長ッッ!!外に!外に海王類がウジャウジャいますっっっ」
「凪の帯に入っただけだ、気にするな」
「あぁ、凪の帯ならいて当たり前すッぅ?!
えっ!!凪の帯ッッッ?!!!」
蒼白だった顔がより一層青くなるシャチ。
「外は突風ですよ!凪の海なわけ・・・」
どいつもこいつも五月蝿い。
「すみませんしたッッッ!!!!!」
俺の表情を読んで飛び跳ねる如く走り去るシャチ。
凪の帯に入ったのなら、目的地までそれ程かからないだろう。
今日の晩ぐらいには着くだろうと予想を付ける。
風が止んだら知らせろ と、指示を出し俺は自室に籠もった。
「船長、風が止みました。
後、前方に島が見えます」
「上陸準備だ」
予想通り、夜になって目的地に着いた。
港らしきモノは見当たらず、登れそうな場所へ船を着ける。
「キャプテン誰かいるよー」
ペポが指差す上空に視線を向ける。
確かに、でかい大木てっぺんに誰かいる。
いや、てっぺんじゃねぇ・・
「避けろッ!落ちて来る!!」
「氷河時代」
叫んだと同時だった。
辺りが凍った。
地面も木も草花も凍り付いた。
この技はッ!!
「トラファルガー・ローか?」
「・・青雉、は何処だ?」
「こっちだ」
俺達を見渡しは青雉は、着いて来いと歩き出した。
青雉の後ろを歩く事数分、ある村に着く。
そこの診療所で寝かされたと会う事が出来た。
体温を確認しているのか、眠るの頬に手を添え ホッとため息を吐く青雉。
「薬は今から作れる。
その間、出来るだけ手当をしてやってくれ」
そう言うと部屋を出て行く後ろ姿を確認し、俺は力を発動させた。